輸入業者の賠償リスク ~輸入業者=製造業者~
コラム 2020/10/01
輸入品が原因で賠償責任を問われた場合に備えましょう。
輸入業者=製造業者です
Q.自社で輸入した製品でトラブルが発生し、顧客から賠償請求を受ける可能性はあるのでしょうか?
・こちらは輸入して販売しただけ。責任は海外メーカーだから賠償の義務は無い。
・製品の説明書や自社のホームページでも
「製品の不具合などは製造メーカーに問い合わせてください」
「弊社は輸入業者のため、製品の不具合によるいかなる損害も責任は持ちません」
と記載しているため、顧客からの賠償は受けない。
などと思っておりませんか?これは大きな勘違いです。
【製造物責任法】(以下、PL法)では「輸入業者」も製造業者に含んでいるため、製造業者としての責任を負わなければなりません。もちろん輸入業者は製造・加工などに関与していないために、本来は製造業者ではありません。しかしながら、その製品を日本国内に流通させた当事者であり、賠償責任が問われるような事故が発生した場合は、その「当該危険」を日本に持ち込んだ当事者でもあります。また、その製品の利用者が海外のメーカーに賠償請求したり、訴えるなどは事実上困難なため、輸入業者が製造業者と同じ責任を負うよう、PL法で定めております。
ここで冒頭の質問に戻ります。
Q.自社で輸入した製品でトラブルが発生し、顧客から賠償請求を受ける可能性はあるのでしょうか?
A.はい。法律上の賠償責任を負います。
つまり、輸入業者は製造業者と同じリスクがございます。「輸入しただけ」は通用しませんので、自社で輸入した製品でどのような事故が発生するかを予め想定し備えなければなりません。
特に小規模の輸入業者は賠償リスクへの備えが不十分なケースも多く、事業の継続も危ぶまれます。
輸入業者の賠償リスクはPL保険で対応可能です。
「輸入ビジネス=PL保険加入」とお考えください。